Vintage photo booth

事例

流行や好みの変化の激しい    Z世代の“今”を知る

フリュー株式会社様

カテゴリー詳細

  • 執筆者

    Tobii

  • 読了時間

    5分

Z世代の心をつかむプリントシールの開発へ。

フリュー株式会社様がアイトラッキングを活用。

Furyu logo

課題

女子中高生・大学生に根強い人気を誇るプリントシール。

フリュー株式会社様は、このプリントシールをはじめプライズ(アミューズメント専用景品)やスマホアプリ、ゲームなどを開発・販売している総合エンターテイメント企業です。

2007年(平成19年)に、オムロンエンタテインメント株式会社からマネジメントバイアウトする形で設立されました。

誕生の地である京都の「祇園祭」をはじめとする雅なエンターテイメントの精神を受け継ぎ、広めていきたいとの思いを込めて「風流」→「フリュー」と社名を名付けました。

フリュー株式会社様は、プリントシールの市場で約94%(2022年夏 フリュー調べ)という圧倒的なシェアを誇っています。

同社の躍進を支えているのが、頻繁に行われているユーザーインタビューとスピーディな開発体制です。

ユーザーへのインタビュー・アンケートは、年間200回以上にも及んでいます。また、
ユーザー調査の結果を受けて、最速1週間で反映するなど、超高速の開発体制を整えています。

こうした、デザインや機能のスピーディな改善・開発が、流行や好みの変化の激しい女子中高生・大学生の心をつかみ、プリントシールの市場を席捲してきました。

Japanese photo booth

しかし、これまでのユーザーインタビューでは、「見たような気がする」といったあいまいな回答も多く、実際にプレイ中の画面が喜ばれているのか、気づいてもらえたのか、などのプロセスが検証できていませんでした。 

このため、社内の議論も明確なエビデンスのないままに進められる場合も多く、「内向き」の議論になってしまうという「一強」ならではの弊害も見られました。 

そこで、同社では、科学的に明確な根拠の得られるユーザー調査のツールを探していました。 

そんな折、展示会でトビーのアイトラッキングを知り、持ち前のスピーディな判断で、導入を決定されました。 

Japanese photo booth image

メソッド

今回の調査では、まずは普段のユーザーインタビューでは得られない「プレイ中にどこを見ているのか」という事実や、ボタンや機能が理解されているのか?などの課題を見つけることを目的として、トビーの調査チームが調査を担当しました。

視線データは、動き回りながらの計測が可能な、ウェアラブル型アイトラッカー
Tobii Pro グラス3」で取得しました。

通常、女子中高生・大学生は、友人2~3人でプリントシールを撮ることが多いため、
被験者には、友人と二人一組で参加していただきました。

ユーザーがプリントシールを撮影する手順は、まず、筐体(ブース)外でお金を投入後、
メニュー(仕上がりや背景、シールの柄など)を選択します。

その後、筐体内でアナウンスに従ってカメラ前でポーズなどをとりつつ撮影します。

撮影終了後は、らくがきブースへ移動し、モニターを使ってらくがきやスタンプなどで
デコレーションを行い、その後、筐体外で印刷されたシールを受け取るという流れで、10分ほどの工程となっています。

今回のアイトラッキング調査では、被験者に「Tobii Proグラス3」を装着していただき、この流れに沿って、視線計測を行いました。

その後、視線データを見ながらインタビューを実施し、魅力度や理解度についての深堀を行いました。

Japanese photo booth
これまでの知識の積み重ねで作られている プリ機が、今のユーザーのニーズに合っているのか疑問でした。 今回のアイトラッキング調査で、ユーザーの今の情報をたくさん得ることができ、ユーザーの実情を知ることができたのが大きな成果でした。
プリントシール機事業部デザイン・ブランド戦略部デザイン2課, アートディレクター, 右松 理様

結果

調査では、同社の当初の仮説とは異なる結果が数多く見出されました。

まず、ブース外で流していたプリの新機能を紹介する動画はほとんど見られていないことが判明しました。

また、「らくがき」画面では、撮影したプリとその周辺しか見られておらず、画面下部に表示されている機能の説明については、ほとんど気付かれていないことも明らかになりました。

さらに同社では、これまでは、機能の理解度と魅力度は比例していると考えていました。しかし、視線データに基づくインタビューでは、理解はされていなくても、「かわいい」と思われていて魅力度は高い、ということが判明。

理解されていないのであれば機能紹介をなくしてしまおうという意見もありましたが、「かわいい」と思ってもらえたらそれでいい、と割り切ることができたのも大きな気づきの一つでした。

こうした貴重なデータを基に、さっそく新たな仮説を立て、検証を繰り返しています。

加えて、明確な根拠を持って、社内に説得力のある提案ができるようになったことも、
大きな収穫でした。

フリュー株式会社様では、今後ともアイトラッキングを活用して、変化の激しいユーザーの生の声を把握して、誰もが楽しめる、使いやすく「かわいい」プリを作り続けていこうと意気込んでいます。

そのため、今後ともアイトラッキングによる、プリ機でのユーザー調査を企画しています。

それだけではなく、ユーザーがスマホでどのようなSNSや動画を見ているのか、その中で、何を見ているのかなど、アイトラッキングの活用を広げる計画を練っています。

ユーザーがプリを評価するときの基準は 「自分が可愛く盛れたかどうか」が大きく、今までUIUXに関する意見はほとんど言語化されていなかったため、操作やゲームの流れに問題ないかが不明瞭でした。      アイトラッキング調査では、視線動画を見ながら事実の深掘りができるため、ユーザー自身も自覚していなかった深層心理を知ることができました。
プリントシール機事業部 デザイン・ブランド戦略部デザイン1課, アートディレクター, 前口 美穂様

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  • 執筆者

    Tobii

  • 読了時間

    5分

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