アイトラッカー タイミング性能

Eye tracking technique Hardware Software

このページではアイトラッカーのタイミング精度を担う様々な構成要素とプロセスについての解説をします。

Tobiiアイトラッカーは、従来の瞳孔中心角膜反射法(PCCR)によるアイトラッキング技術をさらに高度にしたシステムです。被験者の瞳孔と近赤外LEDによって生成された反射パターンがアイトラッカーファームウェア-TETサーバ(Tobii Eye Trackingサーバ)に送信され、画像処理アルゴリズムと3Dアイモデルから眼の位置と視線が高精度で算出されます。TETサーバは、コンピュータまたはアイトラッカープロセッサ上にある高精度カウンタからタイミング情報を取得してサーバに到着した各眼球画像にタイム・ファンクションdll - TTime.dllを使用してタイムスタンプを付けます。TETサーバは、このタイムスタンプを基に取得された時刻を計算します。

旧50シリーズやX2-60およびX3-120アイトラッカーでは、外部の処理装置や接続するコンピュータにインストールされたTETサーバで処理を行います。Tobii Proの視線取得・解析ソフトウェアなどのアプリケーションはTETサーバにアクセスしてrawデータを取得します。
コンピュータのプロセッサ上にある高精度カウンタでQueryPerformanceCounterとQueryPerformanceFrequency関数を使って視線データに対するタイムスタンプを打っています。

T/XシリーズおよびX2-30などのアイトラッカーでは、TETサーバはアイトラッカーのハードウェア内に組み込まれています。センサーで取得したイメージはアイトラッカー内で処理され、TCP/IP LANまたはUSBを介して視線データが送られます。この設定により、Tobii Proの視線取得・解析ソフトウェアのようなアプリケーションとアイトラッカーがシンプルで効率的に統合します。TETサーバは独立したコンピュータ上で動作するので、プロセッサでの画像処理や視線データの算出による負荷の影響を低減します。

リアルタイムアプリケーションとアイトラッカーのインテグレーションでは、視線データの通信に要する時間に依存する部分が大きく、レイテンシは重要なポイントです。例えば、ゲイズコンティンジェンシー研究のパラダイムや、目とのインタラクションの実験では、視線のデータの応答をトリガーにするため特定の場所を一定時間見続ける必要があるためです。

事後解析においてはアイトラッカーのセンサーのデータレート、視線データのタイムスタンプ処理、刺激呈示と記録を行うアプリケーションとの同期を確実にするためタイミングの情報はとても重要です。(例えば、スライドショーやWebを対象とした研究)

アイトラッカーのレイテンシ

アイトラッカーのレイテンシは、画像がセンサーによってキャプチャされたタイミング(中間露光)から、視線データがTETサーバによってネットワークまたは視線取得・解析アプリケーションに出力されるまでの時間になります。システム(アイトラッカープロセッサ、ネットワークおよびデータを記録するコンピュータ)におけるカメラ露光、転送、計算および遅延に要する時間の合計です。

Tobiiのアイトラッカーの仕様では「処理のレイテンシ」と「システム全体のレイテンシ」の二種類が報告されています。システム全体のレイテンシは、目の画像の露光時間の中間からAPIを経由してクライアントコンピュータでサンプルが利用可能になるまでと定義されています。これには目の画像の露光時間の半分と読み出し時間、転送時間、処理時間、クライアントコンピュータまでの転送時間が含まれます。処理時間はアイトラッカープロセッサが画像を処理し視線データを算出するために必要な時間で、サンプリングの間隔未満となります。

視線データのタイムスタンプ

目の位置はアイトラッキングカメラによって取得した画像に基づいて推定されます。シャッタースピードは固定されており、各視線データのタイムスタンプは露光時間の中央(理論的な推定値)を示しています。TETサーバは眼球画像を取得したサーバ内の時刻からセンサーがイメージをキャプチャするために要したレイテンシを減算し、視線データの各タイムスタンプを算出します。レイテンシはセンサーのサプライヤーの仕様(映像配信アルゴリズムのレイテンシ)に基づき計算されます。

Tobii Proアイトラッカーのタイミング精度の詳細は以下リンク先のWhitepaperをダウンロードしてご参照ください。

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