science art eye tracking

科学は芸術を理解するのにどのように役立つか

創造力は人生の大きな謎の一つであり、私たちはそれを賞賛し、羨み、そしてしばしばそれに混乱します。しかし、アイトラッキング技術は、創造力の秘密の一部を解明するのに役立っています。

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「子供やアーティストはどのように絵を描いているのか?」科学とテクノロジーを組み合わせたYouTubeのビデオシリーズ「Function」は、子供と訓練を受けた芸術家との間で作品を制作時の視線のパターンがどう異なるかを調べました。4歳から19歳までの7人の子供と3人のプロのアーティストにアイトラッカーを装着してもらい、ポール・セザンヌの「カード遊びをする人々」を模写してもらいました。 ニューヨーク・ブルックリンのエクフォード・ストリート・スタジオ内に、実際の絵画を再現したものを設置して実験を行いました。  

Cognitive Neuroscientist, , provide認知神経科学者のHeather Berlin博士は、画面上の分析を行い、彼らの視線と作品の製作には相関関係があることに気がつきました。「芸術家は模写の対象を見てすぐに必要な情報を理解し、描き始めると予想するかもしれませんが、実際には逆です」と彼女は言いました。10分間の実験では、子供達は対象の絵画を把握するのに約42秒かけていたのに対し、訓練を受けた芸術家達はそれより倍以上も長い90秒を費やしました。

また彼女は、グループごとに、対象物のスケールを正しく理解することをどれくらい重要だと考えているか、時間のプレッシャーにどのように反応するかについて、明確な違いがあることに気がつきました。特に、25歳まで完全には発達しない前頭前皮質が、各グループの作業ペースに影響を与えていました。Heather Berlin博士はこう言っています。「私が行った研究では、前頭前皮質が時間の認知に関わっていることを示しています。絵画再現作業においても、前頭前皮質の影響が見られました。子供達は「もう時間があまりないよ」と言われても行動に実際に影響が出ることはありませんでしたが、大人達は実際に時間のことを考慮して作業を行っていました。」

想像力を理解するためのツールとしてのアイトラッキング

Driven by Caravaggio」は、創造的な作業をより良く理解するために行われた、もう一つのアイトラッキング研究です。イタリアのScienza Nuovaの研究者達は、「ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ(17世紀の最も有名な画家の一人)は、人間がどのようにイメージを認識しているか、環境が鑑賞者にどのように視覚的影響を与えるかについて理解して作品を作っていた」という仮説を検証したいと考えていました。

この研究では、参加者はTobii Proグラス2を装着して、ピオ・モンテ・デッラ・ミゼリコルディア教会の元の場所に残るカラヴァッジオの絵画《ミゼリコルディアのオペレ》と、ナポリのカポディモンテ美術館にあるカラヴァッジオの別の作品を鑑賞しました。カラヴァッジオの絵を教会にある当時のままの環境で見ていた人たちは、作品を見るときに同じような視線のパターンを辿っていたのに対し、美術館で彼の作品を見ていた人たちは、作品を見るときに特定できるパターンとならなかったことを発見しました。

アイトラッキングは、訓練を受けた写真家とアマチュアが撮影でどのように見ているかを理解するためにも使われました。キヤノンは、注目の長さと焦点を分析する実験を行いました。その結果、写真家でない人、写真について勉強している学生、画像クリエイター、それぞれの写真の見方、細部の理解の仕方に大きな違いがあることがわかりました。

芸術とパフォーマンスを理解するためにアイトラッキングを応用することは、音楽の世界にも広がっています。Functionの別のプロジェクトでは、訓練を受けたピアニストと彼の生徒が演奏中にどこに注意を向けているかを観察し、両者に違いがあるかどうかを調査しました。

アイトラッキング技術は、主観的である芸術鑑賞のより客観的な洞察を得るために活用されています。

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